以前は本格的なカメラというと一眼レフでしたが、最近はミラーレス(一眼)という言葉を聞く人も増えてきているのではないかと思います。今回はそんな最近話題のミラーレスカメラと一眼レフの違いについてお話ししていきたいと思います。
ミラーレスと一眼レフの違い
どちらもレンズ交換式カメラです
ミラーレスも一眼レフもカメラとしてはレンズ交換式カメラに分類されます。その名の通り、レンズを交換することができるカメラで、これにより望遠・広角・ボケ具合・マクロなど様々な表現を行うことができるカメラです。同じカテゴリに分類されるので、ミラーレスと一眼レフには共通点も多いですが、ひとつ構造的に決定的な違いがあります。それがミラー、つまり「鏡」があるかないか、という点です。(レス(less)は「〜が無い」という意味の英語なので、ミラーレスは「鏡が無い」という意味です。)一眼レフには「ミラー」というワードは使われていませんが、実は本体の中に鏡があります。
一眼レフにはなぜ鏡があるのか
一眼レフのファインダーを覗きこんだことはありますか?ファインダーにはレンズの先にある映像が映し出されていますよね。でもこれってよく考えると少し不思議な感じがしませんか?レンズよりファインダーは高い位置にあるのに、映し出される映像はレンズの高さのものです。実はこのカラクリに鏡が使われているのです。これに関しては僕の下手な絵より、カメラの大手ニコンさんのホームページに非常にわかりやすい図が掲載されているのでそちらを参照させていただきました。
下記ページが画像の参照元です。一眼レフの仕組みについて詳しく書かれているので読んでみてください。
(参照元:https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/01/01.html)
ペンタプリズムは簡単にいうと鏡で出来た箱です。つまり鏡を複数枚使用することでファイダーからレンズの先が見えるように作られているのですね。そしてシャッターの瞬間だけ鏡が上がりセンサーに光が’届くのです。
ミラーレスには鏡が無い
一方、ミラーレスには鏡がありません。皆さんお持ちのスマホのカメラの中にも鏡はありませんね。そもそもなんで一眼レフは鏡なんてつけたのか、という話ですが、ひと昔前フィルムカメラで見たままに写真を撮るには、このような構造にせざるをえなかったのです。フイルムはデジカメのセンサーと違い、映像をリアルタイムに映し出してはくれませんからね。
しかし今や時代は21世紀、デジタル式が主流なので、センサーで読み込んだ画像をそのまま液晶に映し出すのが容易になりました。そうなると先ほどの鏡はいらなくなりますね。これがミラーレスなのです。スマホのカメラも構造としてはミラーレスカメラですね。(ここで説明してるミラーレスはレンズ交換式の「ミラーレス一眼」ですが。)
一眼レフ・ミラーレスのメリットデメリット
一眼レフは大きく重い、ミラーレスは小さく軽い
これは見た目などからも想像しやすいですが、一眼レフは中にミラーがある分本体が大きくなり重くなりやすいです。ミラーレスは軽量コンパクトな傾向にありますが、あまり軽かったり小さかったりするとグリップが安定しないといったマイナス面もあるので、軽量が全て良いというものでもありません。
一眼レフは本格的な見た目、ミラーレスは個性的な機種が多い
一眼レフはその構造上、古くからのカメラらしい形をしている機種が多いです。一方、ミラーレスは形が自由になった分、個性を出している機種が多いです。無駄を削ぎ落とした近未来的な形をした機種や、コンパクトで女性ウケを狙った機種、敢えてレトロに一眼レフと似た形に仕上げている機種など、その形は様々です。
一眼レフはAF(オートフォーカス)が早い、ミラーレスは機種によりまちまち
これは構造的な違いなのですが、一眼レフの場合AFを合わせるための専用の装置がボディ内のミラーのあたりについていて、これにより高速AFが成り立っています。一方、ミラーレスにはミラーがないので、センサーにAFの機能を埋め込むことでピント調整を可能にしています。しかし、センサーと一体型のAFはまだ歴史が浅いため、今までのAFに比べるとAF速度に差が出やすい傾向にあります。ミラーレスも近年発売した機種ほどAFが進化しており、中には一眼レフに肉薄するものや、それ以上と言われる機種も存在していますが、機種によってはまだまだのものも存在します。AFの種類について詳しく知りたい場合はコチラのページ(準備中)にまとめてあります。
一眼レフは常に実像を確認、ミラーレスは仕上がりを確認
一眼レフはファインダーを覗くと常に実際の景色が広がっています。景色が明るければ明るいし、暗ければ暗く見えます。明るい景色で撮影する際に、露出(撮影する明るさ)を暗く設定したとしても、シャッターを実際に切ってみないとどれくらい暗くなっているかが分からないのが一眼レフです。一方、ミラーレスはセンサーを通した画像がファインダーに表示されるので、仕上がりの明るさや色味がすでに画面に反映されています。これは「スマホと一緒」と考えた方がカンタンかもしれませんね。スマホで写真を撮る時、加工アプリで色味を選んでから撮ったりしますよね?そういうことができるのがミラーレス、できないのが一眼レフです。
一眼レフはバッテリーが長持ち、ミラーレスはそれなり
ミラーレスは撮影中は常にセンサー使いっぱなし、液晶写しっぱなしになります。一眼レフは撮影の瞬間にミラーを動かし、センサーに記録するのみです。使用する電力で考えると一眼レフの方が圧倒的にエコですね。
一眼レフは安定性が高い、ミラーレスはそれなり
ミラーレスは動作の安定面では今一歩一眼レフに及びません。スマホやパソコンをお使いの方は体験されたことがあるかもしれませんが、デジタル製品は稀に原因不明のフリーズが起こります。著者の体感的なところもありますが、ミラーレスではこれが一眼レフよりも発生しやすいように感じます。もちろん一眼レフもデジタル製品なので同じリスクはあるのですが、デジタルで処理している範囲がミラーレスの方が広いのでミラーレス機の方がこういった突発的なエラーが起きやすいのかもしれません。フリーズしてしますと全く仕事にならなかったり、運が悪いとそれまでに撮った写真が全て消えてしまう、なんてこともあります。この点はプロカメラマンがまだミラーレスを敬遠している原因のひとつでもあります。
一眼レフ・ミラーレスの共通点
画質は同じ
これはミラーレスだから一眼レフだからということでの違いはありません。画質の差はセンサーの質やサイズによって変わってきます。
価格は同じ
一昔前はミラーレスはアマチュアからハイアマチュア向けでプロ仕様の高価な機種はありませんでした。しかし、最近ではミラーレスでもプロをターゲットにした高価格の機種も増えています。価格の違いはミラーレスと一眼レフというよりは、アマチュア向け(10万円以下)、ハイアマチュア向け(10〜30万円程度)、プロ向け(30万円以上)によるものだとお考えください。
ファインダーのタイムラグは(ほぼ)ない
スマホでカメラを起動すると、実際に見えているものより画面の中がほんの少しだけ遅れているように感じると思います。ミラーレスもカメラとしての仕組みはスマホと同じなので、これと同様のタイムラグが生まれやすいと言われているのですが、メーカー努力でこの点はどんどん改善されてきました。近年発売した機種には、スマホのような目に見えるタイムラグのある機種はほぼないと考えて大丈夫です。但し、古い機種を買う際はちょっとだけ気をつけてくださいね。
交換レンズがたくさんある
以前はミラーレスは新興勢力だったので交換レンズが少ないと言われていましたが、ミラーレス用のレンズもどんどん発売されてかなりラインナップは増えました。近年では新しく発売するレンズはミラーレス用の物の方が多いくらいかもしれません。ですのでこの点も特に気にしなくてもいいと思います。ただし、キャノンやニコンのフルサイズ一眼レフを使う場合は、同メーカーのフィルムカメラ用レンズを使ったりすることもできるので、そういった遊び方の幅としては少しだけ一眼レフの方が有利かもしれません。
まとめ
以上のことを比較表にまとめるとこんな感じです!別記事で初心者にオススメのカメラも紹介していますので、これからカメラを初めてみたい人はぜひ読んでみてください!
一眼レフ | ミラーレス | ||
違う点 | サイズ感 | 大・重 | 小・軽 |
ルックス | 本格的 | 個性的 | |
AF | ◎ | ◎〜△ | |
モニタ | 実像 | 仕上り | |
バッテリー | ◎ | ◯〜△ | |
安定性 | ◎ | ◯ | |
同じ点 | 画質 | ◯ | ◯ |
価格 | ◯ | ◯ | |
タイムラグ | ◯ | ◎ | |
交換レンズ | ◯ | ◯ |