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【機材紹介】ソニーのα9とα7IIIを比較するとスペックではわからない違いアリ!!

こんにちは!フォトグラファーのイマイデケイです。

今日は愛機を紹介します。フルサイズミラーレス機のα7Ⅲが爆発的な売れ方をしているSONYですが、その兄弟機種であるα9が僕の一番の愛機です。

α7Ⅲとα7RⅢの人気が高くあまり選ばれることが多くないこの機種ですが、実はものすごく使い勝手に良いカメラなのでα7Ⅲと比較しつつ紹介していきます。

主な仕様比較

スペック全部表にすると要点が伝わりにくくなるので大切なところだけピックアップします。スペック全体が気になる方はSONY公式サイトを参照ください。ここでは(ほぼ)同じところは同じ、そうじゃないところは違い、それに加えて、写真撮っていて一番体感に現れるのに数字には現れてこない違いをお伝えしたいと思います。

製品名 ソニー α7 III ILCE-7M3 ソニー α9 ILCE-9
発売日 2018年3月23日 2017年5月26日
価格 20万前後 38万円前後
画像処理エンジン 一緒
画素数 一緒
サイズ感 (ほぼ)一緒
連写 10枚/秒 20枚/秒
連続撮影可能コマ数(RAW(圧縮)&JPG) 79枚 222枚
AF性能 一緒と見せかけて実は一緒じゃない!
ファインダー 235万ドット 368万ドット 120fps
モニター 92.16万ドット 144万ドット
インターフェイス USB Type-Cあり USB Type-Cなし
SONY α9 ボディ ILCE-9

α9でもα7Ⅲでも変わらないところ

まずは同じところ、ほぼ同じところを紹介します。

画質

これはもう一緒だと思っていただいて結構です。高いα9を買っても画質自体は変わりません。

画像処理エンジンと画素数なので、出てくる絵はほとんど同じです。ISO性能も試しましたがほぼ同じレベルで仕様できます。(ちなみに暗所性能に関しては、旧機種ですがα7sの方がこれらの機種よりも上手です。)

サイズ感

ほぼ一緒です!少し違う点としては、α9には左肩に物理ダイヤルがあり、ドライブモードやAFモードの切り替えができます。これは賛否両論。僕は物理操作が好きですが、人によってはショートカット登録してファインダーを覗きながら変えたいという声も上がっています。物理ダイヤルを使わないで操作できるようになればいいのですが、今のところのアプデでは物理ダイヤルでしか操作できないようになっています。

バッテリーの持ち

同型のバッテリーBC-QZ1が採用されています。スペックで見ると、α9の方がやや少ない撮影枚数になります。これはα9の積層型センサがバッテリーをより多く使うからだと言われています。ただし、α9はメカシャッターをほとんど使う必要がない機種なので、その点も考慮すると撮影可能枚数もほぼ同じまたはα9の方がやや持ちがいい印象です。




α9とα7Ⅲで違うところ

本記事のミソです。基本スペックに数字としては出てきていませんが、実は結構違いがあります。実際に両機種とも使ってみての感想になりますので、ぜひご参考にしてみて下さい。

AF性能

ここが一番の違いです。スペック値だけ見ると、どちらのカメラも4Dフォーカスやファストハイブリッド、693点(位相差検出方式)、425点(コントラスト検出方式) で同じです。

ただ、実際に使ってみると、α9のAFは一回り、いや、1.5回りくらい優秀です。

α7Ⅲも初めて使うと「なんだこりゃー!!!どんどんピントが合う!!!」とびっくりするカメラです。が、α9はさらにその上を行っています。

特にコンティニュアスAF時の食らいつき、キープ力は素晴らしいです。被写体が人の場合は瞳フォーカスを使いっぱなしにしておけば、どんなにモデルさんがAFが外れることは無いといっても過言ではありません。

α9を普段使っていてα7Ⅲを買い足して初めて使った感想は「あれ?AFの調子ちょっと悪い?」でした。このあたりはなかなかスペックの数値には現れてこないので、実機を触って確かめてみてください。

ちなみにα9Ⅱやα7RⅣなども発売しましたが、僕の主観でαシリーズのAF性能を並べるとこんな感じです。

α9Ⅱ≧α9>>α7RⅣ≧α7Ⅲ≧α7RⅢ>>>>それ以外αシリーズ

 

シャッター性能

2番目に大きな違いがこれです。仕様表比較すると『α9は電子で20枚/秒、メカは5枚/秒、一方のα7Ⅲはメカで10枚/秒。え、ならα7Ⅲの方が性能いいじゃん』という感じがします。が、そもそもこれは比較の仕方が間違っていますα9は電子シャッターがメイン、α7Ⅲはメカシャッターがメインのカメラです。

細かい仕組みは端折りますが、α9の電子シャッターはα7Ⅲの電子シャッターとは別物です。積層型のハイスペックなセンサーで、物理シャッターに匹敵するクオリティの電子シャッターを可能にしています。

なので僕はα9は基本的にずっと電子シャッター!初めてデジタルに移行した2000年からそういう時代をずっと待っていたんだ!これは夢のシャッターです。「①シャッターが痛まない。②シャッター音がしない。」んだから。

①についてまず話しますが、一眼レフのシャッターの耐用回数はおおよそ20万〜50万回です。(α7Ⅲは20万回となっています。)

僕は連続シャッターも好きなので、撮影対象によっては1時間の撮影で200枚はシャッターを切ります。毎日このペースで一日4時間も撮影すると、数年でα7Ⅲの耐用回数を超えてしまいます。一方、α9は耐用回数から解放されているので気にせず撮り放題です。

②のシャッター音についても子供の撮影やコンサートの撮影、その他音を立てられない場所での撮影でとても便利です。

α7Ⅲにもサイレント機能はありますが、お客様ありきの撮影に於いては画質低下の可能性がある撮影方法は極力使いたくありません。妥協のないサイレント撮影ができる、というのはかなりの強みなのです。

シャッタースピード1/32000はα9の強い武器

α9は電子シャッターを使って1/32000のシャッタースピードでの撮影が可能です。一方、α7Ⅲは1/8000が最大です。

通常の使用ではそんなに問題にはなりませんが、F値1.2などのとても明るいレンズを開放で使って夏の日中などに撮る場合、1/8000では露出オーバーになってしまうケースがあります。α7Ⅲの場合NDフィルターで調整しなくてはいけなくなりますが、α9では1/32000での撮影ができるのはとても強い恩恵です。

フリッカーレス撮影

フリッカーというのは簡単にいうと蛍光灯のチラつきのこと。これを回避して撮影する機能の有無なのだが、この点はα7Ⅲに軍配。α9にはフリッカーレス撮影の機能はありません。なお最新製品のα9Ⅱには搭載されています。

バッファ性能

バッファというのは、SDカードに書き込むまでの間一時的にカメラにデータを書き込んでおけるメモリのサイズです。バッファなんてスペック表に記載されていませんが、これは連続撮影可能コマ数でおおよその計算ができます。

圧縮RAW+JPGデータは1枚およそ30MBです。α7Ⅲの場合、これを連続で79コマ撮れるのですから、30MB x 79 ≒2.4GBです。一方、α9は30MB x 222 = 6.6GB?!6GBって相当なサイズではないでしょうか?

ファインダー&モニター

ファインダーはα9やα7RⅢのファインダーを見てからα7Ⅲを見ると荒っぽく感じるけれども、最初からα7Ⅲだったら特に気にならないレベルです。ただし最近はNikonのZシリーズなど、ファインダーがとても綺麗な機種が出てきているので、そういった機種を触ってしまうとα7Ⅲが物足りなくなってしまうかもしれません。

なお、α9ではフレームレートを120pに切り替えることができます。これがスポーツを撮影するときなどに聞いてきます。ゆっくり動いているものだとわかりませんが、電車や車の窓から外を覗くくらいの速さになると、フレームレートの違いが体感でわかるようになります。

差が大きいのが液晶モニターの方です。α9やα7RⅣ・α7RⅢは自然な発色なのに対して、α7Ⅲは明らかに発色が悪いです。尿液晶かなと思いましたが、複数機確認しても変わらなかったので同じですね。多少安価な液晶が使われているようです。

動画撮影

この点に於いては、後発機種のα7Ⅲの方が少し優位です。α9も2019年のアップデートで改良されてはいますが、それでもα7Ⅲには存在するピクチャープロファイルという機能がありません。

ピクチャープロファイルというのは、映像の特徴を決めるパラメーターを調整したり変更したりするメニューです。HDR動画を撮影できる他、他の機種の映像と質感を統一したり、フィルム映画のような質感を表現するのに使われます。ただし、動画撮影中のオートフォーカスについては、写真撮影と同様にα9にやや軍配が上がります。

インターフェース

こちらも後発機種のα7Ⅲの方が少し優位です。microUSBに加え、α7Ⅲには最新のUSB Type-Cが搭載されています。最近ではiPad Proにも採用され活躍する場がどんどん増えてきている新型端子で、これから最も主流になっていくであろうコネクタです。荷物を少しでも減らしたいカメラマンにとっては嬉しいですね。

 




α9とα7Ⅲ 結局どっちがオススメ?

どちらのカメラもコンパクトなボディにフルサイズ機として十分な機能が詰め込まれているので、満足することは間違いありません。

価格差は15万円程度ですが、α9の超強力なAFのもとでの秒間20コマの撮影は、絶対にミスをできない仕事道具としては非常に魅力的です。

iPhoneをお持ちの方はLivePhotoという機能(撮影後に前後数秒の中か良いところを選べる)があるのをご存知かもしれませんが、α9の高速シャッターはまさにこれをフルサイズ機でやっているような物、つまり圧倒的な保険力です。

ただし、α9にもストロボ仕様時には電子シャッターが使えない(=高速シャッターは使えない)という制約はあるので、スタジオなどでストロボを使用しながら撮影するスタイルの方にとっては、コスパ的にもα7Ⅲの方が良いかと思います。

僕は両方使っていますが、圧倒的にα9の使用頻度が高いです。いい瞬間がしっかり撮影できている方が、よりお客様に喜んでいただけるから、と言うシンプルな理由です。

α7Ⅲ

とりあえず購入するならコレ。

α9

より揺るぎないAFを求めるならコレ。

SONY α9 ボディ ILCE-9

α9Ⅱ

更に高速AFを目指すならコレ。

α1

最強を目指すならコレ。

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